-CLEAこうのす 2022- バンド公演復活と、得た確信。

今回のクレアは、やはりこれまでと違いました。

長いコロナ禍でここまで来て、みんな行動とかすごく制限されて、強制されて、強要されてきて。

気持ちを解放したいんだ、っていう雰囲気が、客席からものすごく押し寄せてる感がありました。

コロナ対策の縛りがある中で、客席から一生懸命に、投げ続けてくださって。

本来ならば見えてる表情が、隠れてるわけじゃないですか。でも何だか、見えてない今回だからこそ、皆さんの身体全体から溢れるものが、バシバシ伝わって来たというか。

無意識の、意識と言いますか・・・観客の皆さんも何か、「伝えたい」と感じてたんだと思う。
それがライブ、ですもん。その、瞬間の「対峙」ですもん。

本来なら、お客さんだってもっと声も出したいし、思い切り表情だって出したいし。(マスクの中では出されてるのかもしれないけど)

ライブって、コール-レスポンスがあって当たり前じゃないですか。それが、無い!やりたくても出来ない。

そんなのが、もう3年近くも続いてきた状態で。

話はライブ前のセットリストを組む時期に戻りますが、このクレアコンサート、蓋を開けてみないと、会場がどんな雰囲気になるのか実のところ全く想像が沸かなくて。

「もしかしたらもうみんな、感情を出す、そんな部分を忘れかけているんじゃないか」そんな不安も心中にありました。
「まず私自身が、お客さんの心に寄り添ってあげられるだろうか」

特に私のライブに来てくださるファンの方々って、本当に、周りの事もちゃんと考えてくださる方々ばかりです。そう言ったファンの皆さんのご配慮や思いやりがあったからこそ、お陰様でこのコロナ禍でも、私はライブをコツコツ続けてくることができたんです。

その分、「クレアで、どうやったら、制限の中でも心を解放して楽しんでくださるだろう。」その部分はとても悩みましたし、深く考えました。

ライブは、共感、共有。心の寄り添いと対峙。

声を出さないでもライブの臨場感を感じたい。ブルースハープのしょうじさんにも相談して、提案をバンドメンバーが、これまでに培ってきた「阿吽の呼吸」で組み立てて行き。

そんなバンドリハーサルを経ていきながら・・・。

・・・色々考えたけど、みんな言わずとも思っていたのは「やっぱり何よりも一番大事なのはステージ上で音楽愛を出し切ることだよな」

このバンドメンバー、やっぱり私と同じで、音楽バカなんです (おこられそう)。みんな。音楽の瞬間の煌めき、その真の髄を知ってる。それを、やりたくてやりたくてしょうがない。

音を醸す瞬間、グルーヴに身体が入る瞬間、魂のときめきを感じ、生きてる事を実感する!そんな・・人たちばかりなんです。

それをステージで思い切り出せば、きっと客席の皆さんが、呼応してくれる。

もうシンプルにそれしかない。

削ぎ落としても唯一残ったものはもう、ありのままの「心根」です。

本来、その人の思いや感情や行動って、周りに大きく制限されるものでは無いし、ってそれはもちろん社会的な道徳の範疇であるんだけども、私の気持ちとしては、「言われたからやる」じゃなくて「自分でやりたいからやる」という心をベースに置くことが、生きていく中ですごく大切なことかなって思っています。

ときめきを持ってアウトプットをしたものに宿る魂のパワーってとてつも無いです。私自身が、先人の大好きなアーティスト達から感じて学んできた事であります。

それだけは忘れたくない、っていう自分のポリシーの一つになってると思う。(僭越ながら)

この制限と強制だらけの3年を経てきて、もしかしたら。
自分の意思、思いや考え、それがどんだけ大事なものなのかっていうのを、みんな心の中で実感してきているのかもしれないな。

例えそれを表には出せなくても。(そんな世の中じゃ駄目なんだけど)

話はライブセットリストの内容に いきマッスル(/^^)/

セットリストを追って思い出していくと、もういろんな場面、場面があって、話が尽きないほどです。


今回初めて、思い切ってワイヤレスのインイヤー・モニターセットで臨んだので、それでできることが沢山あった。やってみたら思った以上の収穫があった。

自由に動き回れるって、やっぱ自由だな!!!!(当たり前だの)

                ・・クラッカーが食べたくなってきた(わっかるっかなー)

但しまだまだ知識不足で、ステレオ出力をしなかった事で、耳の中のモニター音の、バンドの音との兼ね合いや調整がなかなかしっくりいかなかった事は、またひとつ次への勉強だったし。

“Imagine”
絶対にImagineという曲が内包するメッセージを、みんなで感じ合いたかった。その一心です。Dreamerで終わらせない、共感し合う仲間がいるんだから。諦めたくない。まさにポピュラーMusicの原点「庶民の魂」「下から、上へ」その思いを込めました。

“南へ西へからの、ホテカリ”
結構いろんな方に、ライブ前から「今回ホテルカリフォルニアはやるのかな!??」って聞かれてて「さぁー。どうでしょうねえ?!」と必死で堪えてましたww

これはもう、このバンドの、2019年クレアライブからの3年分の思いを注ぎ込むためには、無くてはならない大切な、象徴的な曲でした。実際に、この曲を通じてさらにさらにバンドの結束力は高まったと思う。
この曲をやるときは特に、みんなきっと「音楽を始めたあの頃の、純粋な音楽バカ」に戻ってると思うなー。(歳は決して戻れないが)
私は改めてこのセッションを通して、あの頃の自分と、音楽への気持ちは殆ど何にも変わってない自分を再確認しました。とさ。^^)b

2022.10.12 追記;
ya su さんが(さあ誰でしょう!?) Hotel California だけを抜粋して、UPしてくださいました!
2019年ver.は、上げて数週間で消されてしまったので、今回のもわからないので今のうちかもです・・・

私は本当にバンドが好きで、バンドから音楽を始めた人間です。

あ、でも歌い出したのは0歳から・・何と1歳の誕生日にはピンクレディーを歌詞や音程も完コピしてたと言うから(母親談)。何でそのまま天才音楽家にはなれなかったんだろうねぇー。ああ、天才じゃなかったからだろ。

とにかく引っ込み思案だったから、自分を表に出すのが苦手で。

どちらかといえば育った環境も、そういうのに縁遠く。

まさに、芸能の世界なんて、夢物語。何言ってるのよレベル。歌手になりたいなんて口に出すのも憚られるくらい。

そうして、ひたすらずっと自部屋でCDを一人で聴いていた。(コレが後々の、知識量に繋がった)

でもやっぱり、止められなかったんですよ、音楽への衝動が。
今となれば「もっと早くから行動を起こしていれば」って話なんだけど、それも人生なんだよね。

もしかしたらなんらかの形で早くに世に出られていたって、その環境の中でどう成長していったかは、わからないし。

バンドからソロになって活動する決断も、今となってもそれが正しかったのか、良かったのか、全然わかりません。
ソロになってからの、もがき苦しむ日々も、とっても長くて辛い道のりだったし、特に最初の7、8年なんて、やりたい事とやってることが乖離していき、自分のアイデンティティーも定まらないような有様だった。

そんな道程の途中で、思うようになった事。

「絶対に、自分の目指してる音楽に共感してくれる人がいるはず。それにはとにかく自分の歌を極めて、自分のオリジナルを極めるしかない。ライブを磨くしかない。それを頑張りながら、何を言われても自分の音楽性を貫こう」

・・今思えば、当時はまさか自分のワンマンライブで「ホテルカリフォルニア」をバンドで演奏できる日が来るなんて、夢にも思えなかったです。

「やりたい事がなかなか理解してもらえなかった」。でも、それは自分の力がないから、でもある。自分の歌や音楽に説得力やパワーがあれば自ずと分かって貰えるようになるんだよ。

それも、途中でだんだん、気づいた事です。

色々あったけど、自分の音楽は貫いて来た。それは唯一、胸を張って誇れる事です。

ホテカリまで、20年かあ。実に歩みのノロい亀ですねw

今回は何といっても3年振り待望のバンドライブですので・・
ただでさえ、バンドでやる機会がクレアオンリーですから、もう「ここぞとばかりにバンドを楽しむぞ〜〜ぃ!!」そればっかり思ってましたw もう楽しみで楽しみで。

きっと私、ライブ後半、ピアノから離れて歌うコーナーですっごく生き生きしてなかった!?楽しそうだったでしょう。はい。楽しかったんだよおーw 幸せだったァー
もう、この時間がずーっと続けばいいって思ってました・・^^


“ナチュラル”
3年前の同バンドで初披露して以来の、2度目。この曲はアコギで私が作った曲なんだけど、どんなアレンジになるのかは、バンドに委ねてみた曲。やってみたら、あまりにも「このバンドらしい」アレンジになって感動した曲です。
音楽性でも相性が合う部分が多いメンバーなのですが、特にサザンロックとかカントリーとか、その辺は大好物なメンバーです。最高だぜ。それが出ちゃったよ、コレ!出ました!って感じ。やっぱり好きなジャンルやってる時って特にテンション上がるもの。音が弾けて、生き生きしてた。そしてその生き生きした音でオリジナル曲を歌える、この、何て幸せなひととき。

“Yesterday”
やっぱりアコギで歌いたいもの! 今回の w/森口氏、この曲を選びました。普段ピアノ弾き語りで歌ってても気持ちがいい曲。
吹田全体リハーサル当初は、森口さんのアコギだけのつもりでとりあえず始めてみた。そしたら歌の流れに乗って自然に各々が自由に加わっていって、ほら〜「出来上がり♡」って感じで決まった。うん、決まったね。

“それぞれの日”
願いがやっと叶った。コロナ禍の中に出来上がった曲ですがこの曲も私がアコギで作った曲でした。普段はピアノ弾き語りでずっと歌ってきました。「いつか必ずバンドで」と思ってきたので、感動だった。こういうシンプルアコースティックな曲で特に、このバンドの底力が見える。そう実感させられた。要はニュアンス、なんだよ、ニュアンス。(←偉そうだよ)

今回のカバー選曲は「攻め」ではなく確実に「守り」だったと思う。
もちろん3年のブランクは大きな理由の一つで。そしてやってみて、その「守り」たかったもの、心から感じることができた。
何と言うか、メンバー全員がこのコロナの3年の中、守り通して来た音、を感じたんですよね。それぞれに、大変だった3年のあいだ。葛藤や苦悩のあいだ。
それを超えてまたバンドが集まって、音楽を作れた事が奇跡のように思えてきました。

音楽は、音楽好きにとって、気持ちを吐き出したり、そこに投げたり、共感したり、心を思いっきり解放したり・・

絶対に無くてはならないもの。

3年ものコロナが続き、出し入れさえも諦めかけている感情が心の中にうずくまってるようで、そのモヤモヤをどうしたらいいのかわからず、気持ちが落ちたりして。

相変わらずマスクで表情隠して、だんだんそれが当たり前になって、さらに感情を表す事が億劫にすらなっていくような。そんな負のスパイラルをほどきたい。

ライブというものをを介して。たとえ声が出せなくても、顔があまり見えなくても、感情のやりとりが出来る事をクレアの会場で、感じたし、やっぱ人って底力を持ってる。超えていこうとするパワーが、心の奥底で小さくとも、グツグツ言ってるんだよ。

クレアライブを終えた今、自信を持って言える。「音楽は必要なんだよ。」

そして、みなさん力強いアンコールありがとう。アンコールではこれを歌おう、と決意してた、新曲

“Ride On The River”
燻ってる気持ちと裏腹に、心が走り出してる、そんな気持ちになることがとても多かった最近でした。焦れば焦るほどに悔しさも湧き上がったりして、「この思いはどうしたらいいんだ!」と、お前は思春期かよ!?って感情になっていて w
それで思ったんです。こんなピュアな感情って本当に大切にしなきゃ。 幾つになったって、湧く水のようにピュアな、透明な心があって、ときめいて走り出したい気持ちがある。
心は幾つになっても、日々新陳代謝を繰り返してる。
いろんな日があって、いろんな事がある。新しい発見があり、気づきがある。人生、緩急あっていいじゃない。走り出したっていいじゃん。休めばいいじゃん。
そんな気持ち。今の自分にもぴったりって思って、歌いました。

あああ〜 リリースしたいな〜

さいごに、それぞれお忙しい中、足をお運びくださって本当にありがとうございました。
たくさんのプレゼントも、こんなにいただいていいのかな、と思いながら、次へのエールをいただいたんだと思い、心は前に向かっております!!
歩みは少しづつでも、特段目立って派手さはなくても、自分の音楽をこれからも続けます。

左から、
BluesHarp&Percussions: 北条しょうじ
Bass: 井手信志
Vo&Piano: 美根ゆり香
Acoustic Guitar&Electric Giutar: 森口英次
Electric Guitar: Kenmi Chank
Drums: 三夜陽一郎

all photography by Hideki Kimura

One Love.

美根ゆり香 CONCERT 2022 in クレアこうのす
セットリスト

1 リセット
2 SMALL WORLD
3 瞬きーさくらが咲くころ
4 五番街のマリーへ
5 off-on
6 Rainy Garden
7 Imagine (John Lennon Cover)
8 南へ、西へ
9 Hotel California (Eagles Cover)
10 新しい歌を歌おう
11 ナチュラル
12 Yesterday (The Beatles Cover)
13 それぞれの日
14 天使の降臨 (初演・こうのす花火大会スターマインコラボ曲)
15 You’ve Got A Friend (Carole King Cover)
16 大地のうた
17 OH LALA
18 雨音
19 青い影 A Whiter Shades Of Pale (Procol Harum Cover)
20 HANDS〜大きな手から、小さな手へ〜
21 OH, MY SWEET HOME
—–
-Encore-
1 Ride On The River (初)
2 素直な気持ちで

おまけの、大阪吹田・バンドリハーサル動画

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